銅像情報共有掲示板

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東京都の銅像 - 林 久治 URL

2021/10/01 (Fri) 11:46:11

団長様
東京都の渋谷区銅像情報を投稿します。本像は「新日本の銅像ギャラリー」の「東京都渋谷区欄」に未収録なので、私が本欄に記載することを希望します。
①ブラームス(渋谷区)
設置場所:東京都渋谷区神宮前1-16-3(ブラームスの小径)
レストラン「ジャルダン・ド・ルセーヌ」の前庭
制作時期:1985 年
制作者:不明(胸像にサインがあるが不鮮明)
画像提供:林久治⇒銅像探索記/f
設置経緯:ブラームス(1833-1897)はドイツの作曲家。賑やかな竹下通りとは打って変わって静かな「ブラームスの小径」は、ヨーロッパの路地の雰囲気を醸し出しています。以前は、この道のところに川が流れていました。明治神宮御苑の「清正井戸の湧き水」の支流で、今も道の下を流れているはずです。日本ではまだヨーロッパ旅行は盛んではなかった時代に、このレストランの前オーナー諸岡さんという方が「気軽にヨーロッパ旅行の気分を味わえるように」と考えて、この川をフランスのセーヌ川に見立て、その両脇に建てたと言われています。「ブラームスの小径」命名の由来は、諸岡さんがフランソワーズ・サガンの日本語訳をした朝吹登水子さんと知り合いで、サガンが来日した時(1983年)ここを訪れて、サガン氏の著書「ブラームスはお好き」にちなんで命名してもらったとの事。

Re: 東京都の銅像 - 林 久治 URL

2021/10/01 (Fri) 11:52:02

②渡辺海旭(港区)
本像は「新日本の銅像ギャラリー」の「東京都港区欄」に収録されていますが、詳細情報を収集して来ました。添付写真は本像背面に彫られた制作者のサインです。私には「瑺種」としか読めません。ネット上では、「瑺種」と言う人物はありませんでした。制作者の名前が分かる方がおられましたら、お教えください。
設置場所:東京都港区芝公園3-5-37 芝中学・高等学校正門奥
戦前の建立:1934年1月20日 芝中學校同窓會・芝中學校父兄會
再建:1957年4月26日 芝学園同窓會・芝学園P.T.A
制作者:瑺種?
画像提供:NANAKOさん、銅像探索記:林久治
設置経緯:
芝学園の歴史は、1887(明治20)年に「浄土宗学東京支校」が開校されたのに始まり、1906(明治39)年に芝中学校になりました。第1回生の卒業生でもある、第3代の校長である渡邊海旭(わたなべかいぎょく)先生は、初代校長の松波先生、2代目の荻原先生と一緒に「大正新脩大蔵経」(たいしょうしんしゅうだいぞうきょう)という書を編纂されたことで有名ですが、「ボランティア」の元になる「社会事業」という言葉を作った方でもあります。現在まで続く本校の伝統「遵法自治」という言葉も、海旭先生が作られました。本校の校風は「遵法自治」と、浄土宗の教えである「共生」(ともいき)を二つの柱にしています。「人間教育・芝」と言い換えることも多いのですが、子どもの「人間力」を育てていくことを重視しています。
渡辺海旭(わたなべ かいきょく、1872年2月23日 - 1933年1月26日)は、東京・浅草出身の学僧。浄土宗の僧侶。社会事業家。阿雷狂史・壺月と号す。1900年、浄土宗第一期海外留学生としてドイツへ留学。カイザー・ウィルヘルム第二世大学(ストラスブルク大学)に入学。エルンスト・ロイマンに師事。1907年、ドクトル・フィロソフィーの学位を受け、1910年に帰国。ただちに宗教大学、東洋大学教授に就任。1911年、回向院本多浄厳らと協力して、深川区平野町にドイツ的セツルメントの浄土宗労働共済会を設立。同年、芝中学校校長に就任し、死去までの20余年務める。「カルピス」の命名親でもある。

Re: 東京都の銅像 - 林 久治

2021/10/01 (Fri) 11:56:07

前回の投稿で、「新日本の銅像ギャラリー」での以下の訂正のお願いをいたしましたが、未だ訂正がありませんので、よろしくお願いいたします。
③大野伴睦夫妻(羽鳥市)不破成隆(羽鳥市):「岐阜県西濃地域」に収録されていますが、岐阜地域(岐阜市、各務原市、羽鳥市、本巣市、山県市など)に移動してください。
④「大阪市(中央区)欄」に、山根徳太郎が重複して2体収録されています。
⑤「大阪市(中央区)欄」の「ハラタマ像」に加筆しましたが、地図欄が消失しましたので、回復をお願いします。

Re: 東京都の銅像 飯坂陽治

2021/10/01 (Fri) 20:05:43

渡辺海旭の作者を調べてみました。まず王偏に常という字を調べましたが見つからず存在しないようです。次に「瑺種」に近い崩し字を持つ彫刻家数百人について調べた結果、長野県の「土屋瑞穂」という彫刻家が一人いましたのでこの方で間違いないと思います。一度調べてみて下さい。

Re: 東京都の銅像 - 林 久治 URL

2021/10/03 (Sun) 09:04:30

飯坂陽治様
私の投稿に興味を持っていただき、早速のご教示有難うございました。私も「土屋瑞穂」かも知れないと思っていましたが、次のような疑問点があります。
①先ず、「瑺」という文字はあります。その証拠は、この文字のPC入力が可能であることです。
②銅像の「瑺種」らしい署名で、最初の文字の旁は「常」としか読めません。中央下に長い線があり、これは「瑞」ではないようです。また、2番目の文字の旁も「重」としか読めません。「穂」の文字の「心」の部分がありません。
③私の銅像探索記にも書きましたが、11)のサイト/mには、「土屋瑞穂(つちや・みずほ)は 1933 年生まれ、長野県上田市出身で、現在は宮城教育大学名誉教授(仙台市太白区在住)」と書かれています。また、12)のサイト/fには、「土屋先生は昭和 43 年に宮城教育大学助教授に就任され、(中略)令和 2 年 1 月15 日に死亡」と書かれています。本像の制作者が土屋先生であれば、「渡辺像は、土屋先生 24 歳の作品」と言うことになりなす。私は「年齢的に不可能ではないが、少し若すぎる」と、「土屋説」には一抹の不安を感じています。

Re: 東京都の銅像 - ワインカラー 

2021/10/03 (Sun) 16:36:01

林久治様
飯坂陽治様

私も制作者のサインの判読には苦労をしたことがありましたので、渡辺海旭像の制作者について調べてみました。

下の画像の箱書きの「瑞穂作」と渡辺海旭像背面のサインは同じであることがお分かりになると思います。
https://page.auctions.yahoo.co.jp/jp/auction/c591821229
従って渡辺海旭像の制作者は「土屋瑞穂」で間違いありません。

なお、今回の調査の過程に於いて、芝学園内には旧制芝中学校の教頭を務めた加藤貞斉の胸像があることが分かりました。
http://shiba-ob.net/taikai/45/img/b_DS056.jpg

「芝の思い出」という同期会文集には渡辺海旭校長と加藤貞斉教頭のことも書かれています。
※P.31「覚えてますか?」参照
http://www.shiba-ob.net/network/doukikai/37_120426/37_shiba.pdf

Re: 東京都の銅像 - 林 久治 URL

2021/10/03 (Sun) 19:48:59

ワインカラー様
「土屋瑞穂」のサインについて、動かぬ証拠をお示しいただき、誠にありがとうございました。私のような新入りとは違って、飯坂様や ワインカラー様の銅像学の深い学識には感服いたしております。今後ともよろしくお願いいたします。なお、URLに記載した探索記も修正いたしました

Re: 東京都の銅像 飯坂陽治

2021/10/04 (Mon) 13:48:30

林久治さん・ワインカラーさん
  どうしても気になったので、芝中学・高校に直接電話して確認致しました。
渡辺海旭さんの銅像は昭和9年長谷川栄作さんが作られましたが戦時中供出され、昭和32年に再度製作されました。32年の制作者は芝中学の26回生の多田瑞穂さんという方だそうです。
従って土屋瑞穂さんというのは訂正願います。

Re: 東京都の銅像 - ワインカラー 

2021/10/04 (Mon) 19:16:42

飯坂陽治様

確認していただきましてありがとうございます。
私も林さんがコメントされていた「24歳の作品」という箇所にやや引っかかってはいたのですが、分野は違っても24歳前に夭折した滝廉太郎みたいな芸術の天才もいるし、「瑞穂作」という文字がほとんど同じなので、確信してしまいました。
https://aucfree.com/items/l471258827
文字の崩し方というのは、ある程度決まっているのかもしれませんね。
今後はもう少し慎重に調べるようにしなければと思いました。

Re: 東京都の銅像 飯坂陽治

2021/10/04 (Mon) 20:20:16

林久治さん・ワインカラーさん
  ワインカラーさんの土屋瑞穂さんと多田瑞穂さんの署名が殆ど同じと思えるので、芝中学・高校へ再度写真を添付して多田さんがその後土屋さんに姓を変えていないか調べてもらうようお願いのFAXを入れました。返事が来るまで訂正は待ってください。

Re: 東京都の銅像 - 林 久治 URL

2021/10/04 (Mon) 23:27:26

飯坂陽治様 ワインカラー様
お二人に「瑞穂」氏の正体を追求していただき、誠にありがとうございました。
①【多田瑞穂】作 1974年製作 陶彫人形『こけし地蔵』 テラコッタ像 共箱付
https://aucfree.com/items/l471258827
この記事に、「瑞穂」氏のサインがあます。
②ワインカラー様が発見されてサイトには、陶彫 土屋瑞穂 「天平童女 共箱」のサインがあります。
https://page.auctions.yahoo.co.jp/jp/auction/c591821229
両者(①と②)を比べると全く一致しています。従いまして、②の記事の「土屋瑞穂」と記載されているのが「ヤフオク!」の誤解でしょう。
③翻って、渡辺海旭像のサインを見ると、両者(①と②)と全く同じです(「作」の字も全く同じです)。
従って、本像の制作者は多田瑞穂でしょう。
④土屋瑞穂は1933年に長野県上田市に生まれ、地元の中学を卒業しています。
⑤一方、次の記事に、多田瑞穂氏の略歴が記載されています。
http://hanga-do.com/img/Hangadomeiran113-2.pdf
多田瑞穂(ただ・みずほ)
1933(昭和 8)年東京美術学校彫刻科木彫部に入学。1937 年には臨時版画教室エッチング部(田辺至・松田義之指導)でも学んだが作品は不明。彫刻家としては同年の第1回新文展に《踊子静立》が初入選。翌 1938 年同校を卒業。同年の第 2 回新文展に《憩》、1939 年の第 3 回展にも《芳潤》が入選。また、戦後も日展に出品し、1949年の第 5 回展、1952 年の第 8 回展、1954 年の第 10 回展に入選している。1972年頃は東京都豊島区要町に住む。【文献】『エッチング』57 /『東京芸術大学百年史 東京美術学校篇 第三巻』(ぎょうせい 1997)/『〔日展史資料Ⅰ〕文展・帝展・新文展・日展 全出品目録 明治四十年-昭和三十二年』(社団法人日展 1990)/『同窓生名簿 東京美術学校 東京芸術大学美術学部 東京芸術大学大学院美術研究科』(同窓会名簿編集委員会 1972)

Re: 東京都の銅像 飯坂陽治

2021/10/05 (Tue) 17:33:43

林久治さん・ワインカラーさん
  芝中学・高校には林さんの調査情報を添付し別人であることを伝え、お礼を言っておきました。
学校側も多田瑞穂さんの活動状況までは把握していなかったので、学校側もプラス情報だったようです。
これで一件落着ですね。

Re: 東京都の銅像 - 林 久治 URL

2021/10/07 (Thu) 14:29:58

飯坂陽治様、ワインカラー様
今回の件では、お二方に大変お世話になり、有難うございました。今回の件をまとめて。「芝学園の渡辺海旭像の制作者は誰か?」との題で記事を書きました。そのURLをお知らせします。
http://masaniwa.web.fc2.com/RW-168b.pdf
本件で身に染みて分かったことは、「ネット記事を安易に信用すべきではない」ということです。最初の渡辺像を制作した長谷川栄作さんの生年も、ネット記事で二つに分かれています。どうも、ウィキペディアの記事が間違っているようで、それを多くの記事が盲信して模倣しているようです。
飯坂陽治様とワインカラー様には、今後ともよろしくお願いいたします。

Re: 東京都の銅像 - ワインカラー 

2021/10/07 (Thu) 22:09:49

林久治様

偉人像になるような人物のグレードは、次のようになると思います。

世界史の教科書に載っている>日本史の教科書に載っている>ウィキペディアに載っている>ネットに載っている>地元の人は知っている>地元の人も知らない

つまり、ある程度以上の人物はウィキペディアに載っていますので、私もよく利用しています。

そして、教科書に載るような人物については、内容をチェックする人が多いので、異説がある場合の両論併記等も含め、ウィキペディアの記載内容は、ほぼ信用出来ると思います。
一例を上げると、最澄の生年は、766年と767年の二説あるそうですが、ウィキペディアの文中では、「766年もしくは767年」となっています。

それに対し、教科書には載らないけど、ウィキペディアには載るような人物については、林さんが上げた生年の例や私が投稿した河原鶴造の生年が2年間違っていた例など、ウィキペディアの記載内容に信用出来ないケースが少なからずあるようです。
https://douzouhiroba.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=13918015

ですから、人物のグレードが下位になればなるほど、林さんがコメントされているように、「ネット記事を安易に信用すべきではない」ということになると思います。


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